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  • 執筆者の写真gouishimi

靴作り修行

更新日:1月19日


以前、SNSでは簡単に報告させていただきましたが、


2021年3月から2022年4月までの1年間、私の就業スケジュールをスタッフの協力のもと調整させてもらい、朝から夕方まで授業の週5日の全日制靴学校に通いました。


学校は日本最古の製靴学校エスペランサ靴学院です。

 



そして、無事卒業しました!

 

まず、靴作りを始めた理由について。


コロナ禍に、靴を作っている職人さんの廃業や工場の閉鎖が頻発していることを知りました。またそれを実証するように、製靴用のミシンや道具もかなり安くオークションに出ているのも見かけました。

靴磨きは、靴を作る人や工場があって初めて成立する仕事。微力ながら靴業界を盛り上げて、少しでも恩返ししたいという気持ちが自然と生まれました。

ですが同時に、靴磨き職人が靴業界全体を応援するなんて、そんな大それたことを言えるほど自分は靴を理解しているのか?烏滸がましいのではないか?という疑問が浮かびました。


そこで、靴について責任を持って発信するには、まずは靴を作れるようになる必要があるのではないかと考え、本格的に勉強したいと思った、そんな経緯です。


 

一部ですが、僕自身が在学中に実際に作った靴です。


学校で授業内容を纏めてみると、


・靴作りの世界・日本の歴史

・木製ラスト成形(卒展ではオリジナルラストで開帳足に合わせた靴を作りました)

※右から2番目の靴

・型紙製作・靴デザイン・デザイン画

・技師装具士による足・筋肉・骨等、医療観点からの知識、学問及び石膏による足形取り・石膏からのラスト成形等

・ハンドソーンウェルテッドによるレザーシューズ9分、10分仕立て

(外羽根・内羽根)

・マッケイ製法によるレザーシューズ作り

・バルカナイズド製法によるレザースニーカー作り

・圧着によるサンダル、パンプス作り

・靴修理技術(靴作りとまったく違います。週1の個別授業)

・採寸方法と手法・基本ラストからの乗せ甲等

・シューフィッタープライマリー資格の取得

・細かな技術も山ほどあり、書ききれませんが、一部紹介します。

各制作にあたっての基準数値、革包丁研ぎ、チャン作り・チャン引き・麻糸の依り方、芯材作り、革のアッパー縫製(ミシン・ハンド)、閂種類別手法、コテの使い方、道具加工(針・ワニ・ハンマー等)つり込み、すくい縫い、出し縫い、などなど



靴作りをしてみて、以前は感じ取れていなかった靴職人の方々の凄さと、その裏にある凄まじい努力が少しは理解できたように思います。解像度が5倍くらい鮮明になった感覚です。


同時に、靴作りをしたことで、靴磨き職人の存在意義や靴磨き職人だけが到達しているポイントも改めて分かりました。

自信を持って靴作りと靴磨きの両面から優れた靴メーカーを語り、応援やPRが出来るかなと思います。


それにしても、実際に学んでみて何となくしか分かっていない事がこれほど多いとは。この一年間の勉強を糧にして、業界の発展に寄与できるように全力で頑張ります。


ということで、靴に関してなら構造・立体的なイメージを持って解説できますので、

靴磨き以外の修理・足の悩み等もお気軽にご相談ください。


店頭でお待ちしております。









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